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 近年、スキミング犯罪が急増しています。これまではクレジットカードがスキミング犯罪の対象でしたが、最近はキャッシュカードの被害が急増しています。 スキミング対策委員会では以下のようにスキミング犯罪に対して報告いたします。(2005年1月報告)

  スキミングとは?
 他人のクレジットカードやキャッシュカードの磁気記録情報を不正に読み出してコピーを作成し、使用する犯罪行為。 「スキマー」と呼ばれるカード情報を読み取る装置を用いて情報を複製する。  
 手口としては、飲食店などで他の客の上着に入ったままのクレジットカードから情報を盗み出したり、空巣に入ってカードそのものは盗まずに情報だけを取り出したり、クレジットカード取扱店のCAT端末(加盟店信用照会端末)に細工をしてスキマーを仕掛けるなどと言った手法がある。商店などで店主や店員自身がスキミングを行なっていた例もある。  
 スキミングはカードの盗難と違って、カード自体が「無事」であるため、被害者が被害に気づきにくい(請求があって初めて気づく)という特徴があり、より巧妙であると言える。


  スキミング技術の種類及び歴史(JILCoM調べ)

年代 技術 内容
1980年代 スキミング  一般のショッピングや飲食をしたお客様からクレジットカードをお預かりし、普通に店のカードリーダーでカードをなぞっ た後、スキミングの小型機材でお客様に見つからない様になぞり、カード情報を盗み、密輸し偽装したカードにこの磁気 情報をインプットし本人に成りすます犯行が出始めました。
1995年 仕掛け式スキミング  カードリーダーの中にスキミングの基盤を仕掛け、カード情報を盗み出す。カード情報が蓄積されしだい基盤を回収しパソコンで文字情報へ変換し密輸した生カード(まだ情報をインプットしていないカード)にこの磁気情報をインプットし偽装カードとして完成させ、本人になりすまし犯行に及ぶようになってくる。(クレジットカードスキミング基盤の小型化)
2002年 無線式スキミング  仕掛け式スキミングと同じ様にカードリーダーにスキミングの基盤を仕掛けこの盗んだ情報をトランスミッター(送信機) を利用し電波で飛ばし、外で受信する方式。五百円硬貨位の大きさの基盤でヘットアンプ回路(データ読み取り)と送信回 路から構成されています。飛ばした電波(磁気情報)を外にいて受信機で受信しパソコンを使用し磁気情報をパソコンの画 面上に出す。上記の説明はクレジットカードですが、キャッシュカード被害の場合は、ATMの通信回線にスキマーを仕掛け 同じ様に外で受信する仕組みです。ATMを利用した際に暗証番号を打ち込むのでこの暗証番号まで盗まれてしまいます。 (スキミングの基盤を回収するリスクをなくし巧妙な手口に進化する)
2003年 非接触式スキミング  普段持ち歩いているカードを非接触型のスキミング機材(タバコの箱位の大きさ)でカード情報を読み取る。満員電車やエ レベーターの中など人の込み合う場所で財布の入っている胸ポケットやハンドバックなどを触らずにかざしカード情報を盗 み出す方法。JRのスイカをイメージして頂ければ分かりやすいと思います。この盗み出した情報は上記に述べたように偽造カードを作成し犯行に及びます。
※注・・・上記は技術の経過を述べたものであり、実際にはそれぞれの技術が現在でも用いられている。
※注・・・実際に犯罪に使用されたことが確認されている技術は無線式スキミングまで。

 偽造カードにおける被害額 
クレジットカード(単位:億円) キャッシュカード(単位:百万円)
1997年度 12.0
1998年度 28.0
1999年度 91.0
2000年度 140.2
2001年度 146.4 19
2002年度 165.0 12
2003年度 164.4 260
※出所:クレジットカードの数値は社団法人クレジット産業協会より引用。また、キャッシュカードの数値は全国銀行協会のアンケートによるものより引用

  カード不正使用の被害の受け手(協力:社団法人 ニューメディア開発協会)
被害の受け手
    カード発行者 カード保有者
クレジットカード 盗難/紛失 ×
偽造 ×
キャッシュカード 盗難/紛失 ×
偽造 ×
資料協力:社団法人ニューメディア開発協会
1.キャッシュカードを利用して預金が引き出された場合でも、金融機関はカード保有者に対して支払義務は負わない。
「真正なキャッシュカードが使用され、正しい暗証番号が入力されていた場合には、特段の事情のない限り、 銀行は、免責約款により免責される(一部抜粋)」(最判昭63.10.13)
 このため、金融機関側に善管注意義務に反するような事実(カード保有者からキャッシュカード紛失の連絡を受けながらも、支払停止の対応をとらないこと等)が無い限り、キャッシュカードの不正使用による被害はカード保有者が被る事となる。
2.不正使用の被害に遭ったクレジットカード会社がカード保険に加入している場合、保険会社が支払義務を負うことになるが、保険に加入していない場合、被害の受け手はクレジットカード会社となる。ただし、キャッシングによる不正使用の場合は、カード保有者の損失となる。
3.金融機関の中にはキャッシュカード保険を提供しているところもある。不正使用の被害にあったカード保有者がキャッシュカード保険に加入していた場合、保険会社から補償を受けることができる。補償の範囲については金融機関によって異なる。


  カード犯罪の認知・検挙状況等の推移
   H10年 H11年 H12年 H13年 H14年
認知件数
(件)
総数 6,174 5,991 6,970 5,527 4,938
クレジットカード 4,344 3,212 3,622
キャッシュカード 1,201 2,018 2,997
消費者金融 629 761 351
検挙件数
(件)
総数 5,616 5,032 4,514 4,080 3,521
クレジットカード 4,208 2,962 2,833
キャッシュカード 869 1,336 1,375
消費者金融 539 734 306
検挙人員
(人)
総数 1,230 1,213 1,803 921 918
クレジットカード 653 532 875
キャッシュカード 433 490 817
消費者金融 144 191 111


 検挙したカード犯罪における犯行態様
  H10年 H11年 H12年 H13年 H14年
窃取・取得したカードを使用 3,298件
(73.1%)
2,973件
(72.9%)
1,946件
(55.3%)
偽造したカードを使用 660件
(14.6%)
578件
(14.2%)
769件
(21.8%)
その他 556件
(12.3%)
529件
(13.0%)
806件
(22.9%)
合計 5,656件 5,032件 4,515件 4,080件 3,521件
出所:警察庁刑事局「警察白書」
<参考>
平成13年6月の刑法改正(「刑法の一部を改正する法律」平成13年法律第97号支払用カード電磁的記録関係)の要点
【刑法改正前】
カード情報の抜取り(スキミング)、偽造カード所持だけでは処罰の対象とならなかった。
【刑法改正後】
平成13年6月に刑法が改正され(平成13年7施行)、「クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカード」に対する不正行為に対応すべく、「カードを構成する電磁的記録の不正作出、所持、 不正作出準備等が処罰の対象となった。

※検挙事例・・・平成13年12月、千葉市内の風俗店従業員の中国女(44)は、同店において、ハンディスキマーと称される装置を使用して、客のクレジットカードの磁気ストライプ部分に記録された情報を不正に取得した。平成14年3月、女を「支払用カード電磁的記録不正作出準備(取得)罪」で検挙した(千葉)。


 スキミング対策
 キャッシュカードを使用するにあたっては、以下のような対策が挙げられます。  (いずれも対応策の一部でしかなく、抜本的な解決にはなっていません。)
日常的な対策
カードの暗証番号をこまめに変える。(誕生日や電話番号などの番号は使用しないようにする)
通帳記入を定期的に行う。(1ヵ月に1回を2回に増やし、被害を最小限に食い止める)
カードは必要なとき以外は持ち歩かない。(ただし、空き巣には注意が必要)
キャッシュカードを作成しない

  無線式スキミング対策
 ◆新規および改装ATMの設置工事業者チェックシステムの確立(工事業者の内部犯行防止対策)
 ◆ATM解体業務に関するマニュフェストの発行(特にカードリーダーおよび基盤の複製防止)
 ◆定期的通信回線のチェック(不審な電磁波および電圧のチェック)


  ICチップの導入について
 近年技術革新が進む各メーカーの個人認証技術やバイオメトリクス(生体認証) 技術を取り入れる。ICチップを使用し指紋認証、虹彩認証、顔認証、音声認証、 耳介認証、など様々な生体認証を利用し犯罪防止対策とする。イギリスでは、こ の様な30種類のバイオメトリクスを利用したICカードを政府が3年をめどに作成 し、様々なところで共有出来るシステムを開発中です。スキミングの様な犯罪や 偽装パスポート対策(不法入国対策、テロ対策)、など様々な犯罪対策の場でIC カードが活躍すると思われる。

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